2014年9月20日土曜日

神原良『X(イクス)』・・・



今日は、何も書くことが思い浮かばない。
先年、句集『光速樹』(書肆山田)を上梓した打田峨者んから画人名・内田峨で挿画を担当したというので、神原良詩集『X(イクス)』(書肆山田)を恵まれ、詩集名になっている詩篇が心にしみたので、今日はその詩をまるまる以下に紹介することにする。

            X(イクス)

どこか 宇宙の果てのステーションで X(イクス)
僕たちは もう一度 会えるかもしれない
夜空に 幾千万と鏤められた星の一つ そのどこか見知らない街で
僕たちは もう一度 すれ違うかも知れない

僕はいま ほとんど再生を信じる
僕たちは 程なく死に 焼かれ 一握の炭素となり
この星の終焉とともに 宇宙空間にまき散らされて やがて
不可思議な意図のもとに凝集し もう一度生命を形成し

そして 幾百というそういった繰り返しの中で
かつて邂逅したふたりの魂は 必ずや互いを求めあい
いつか この星ににた青い大地で

僕たちは もう一度よみがえり まみえるだろう
その時 僕は おまえに告げる
僕はX(イクス) おまえを本当に愛している この永劫の宇宙の中で

              (神原良詩集『X(いくす)』より

ヤブラン↑

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