2014年9月28日日曜日

羽村美和子「秋夕焼どの本にも挟んであった」・・・



昨日は、二か月に一度の第121回「豈」東京句会だった。報告を兼ねて以下に一人一句をあげておこう。
句会前に元「豈」「夢座」同人だった渡部伸一郎さんが旅先のフランスで亡くなられたという訃がもたらされた。該博な知識をお持ちだったが、話されることも、句の鑑賞も平明で、ツボを心得られた見事な評をされる人であった。今後は、彼の読みやすく、魅力的なエッセイも読めないのが淋しい。ともあれ、会津生まれの祖父や父上のことも加藤楸邨の弟子だった母上のこともそれぞれの評伝をすでに出されていたし、自らのことを語る以外は、ほぼ語られていたと思うので、それはそれで思い残すこともなく、さっぱりしたものだったかもしれないと愚生は自身を慰めている。多くのの著作は深夜叢書社から出版されており、蝶の蒐集家でもあったようだ。1943年生まれだから古希を過ぎられてほどなくの死だ。ご冥福を祈る。


    秋夕焼どの本にも挟んであった      羽村美和子
    稲田みており目玉にまかせてあり     川名つぎお
    送り火やすこし歩いてみませんか     佐藤榮市
    面倒な人つれてくる吾亦紅         小湊こぎく
    どんぐりのドヴォルザークは道程     山本敏倖
    スコッチの転ぶひとくち鱗雲        鈴木純一
    赤とんぼ0に目覚めて雲はるか      岩波光大
    刻一刻無音の蝉や長崎や         多仁 竝
    歌舞伎町一膳めし屋の吾亦紅      早瀬恵子
    父老ゆる何か喚きてすすき原       福田葉子
    たそがれを踏んだ声出す吾亦紅     杉本青三郎
    稲びかりたたまれてある扇かな      大井恒行  


                                               キンモクセイ↑

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