2015年12月28日月曜日

豊里友行「海も陸も座り込む日々のさざ波」(『地球の音符』)・・・



豊里友行第二句集の句集名『地球の音符』(沖縄書房)は、次の句からのものだろう。

   鯨舞うみんな地球の音符なり       友行

沖縄在住の写真家にして俳人。俳句では若い世代(1976年生まれ)を代表するうちの一人である。
不案内ながら報道写真家として、愚生の記憶にあるのは、原発問題では90歳を超えてなお現役だった福島菊次郎とともに、樋口健二の名を留めている。その樋口健二に師事したというから、豊里友行もきっと筋金入りに違いない。従って、句集には脱原発、非戦、沖縄の現在の在り様についての句も多い。
愚生も、ひと昔前、沖縄平和行進に参加した折りに、辺野古にたった数時間にしか過ぎなかったが、座り込んで、地元の人たちの話を聞かせてもらったことがある。キャンプシュワブの鉄条網は刺さると抜けない構造になっているとも聞いた、ように思う(愚生は今や活動からすっかり足を洗ってしまったが・・、民意の中には沖縄独立?という声もあったような・・・)。
オスプレイが配備される直前の頃だったように思う。その配備に反対する闘争が現地沖縄ではすでに行われていたのだった。
いくつか句を挙げておきたい。


   虹を弾くアメンボのブレイクダンス
   どれもみな歌声になるうりずん南風(ベー)
   せんそうのもうもどれない蝉の穴
   鯉幟雑魚寝親子の爆心地
   すいつくかげもしずくもない炎天
   末端を先端にして針千本(アバサー)です
   
   踊れ(モーレ)
   踊れ(モーレ) 苦瓜(ゴーヤー)が風掴む
   踊れ(モーレ)
 



                                           フユザクラ↑


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