2016年4月25日月曜日

小笠原弘子「生きる側に選ばれし身や石蕗の花」(「水明会の俳句」)・・・


                 高野ムツオ氏↑

昨日、4月24日は〈俳人九条の会「新緑の集い」〉が東京・北とぴあで行われた。
愚生も実に久しぶりに都内まで足を運んだ。
会場のペガサス・ホールは、ほぼ満席だった。弁護士・飯田美弥子(高座名・八法亭みややっこ)の「歴史に学び、未来を志向する日本国憲法」の憲法落語を楽しみ、高野ムツオ「3・11と俳句」の講演を聞いた。
「九条の会」は元はといえば、2004年6月、大江健三郎や小田実・加藤周一、鶴見俊輔、澤地久枝、梅原猛、奥平康弘、三木睦子の8人の呼びかけで始まった。

 しかるに憲法制定から半世紀以上を経たいま、九条を中心に日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。
その意図は、日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。
そのために、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束を実際上破ってきています。

これらのことを12年前に「九条の会アピール」として出している。昨年の国会での動向はまさにそのことが現実化されつつあることを実証した。
高野ムツオは「3・11と俳句」を語りながら、講演の最後を、東日本大震災、福島、そして、今回、熊本での地震のことを思うと、原発の再稼働はありえない、と結んだ。
ともあれ、高野ムツオ講演で語られた俳句のいくつかを下記に紹介しよう。
因みに「水明会」とは、高野ムツオが震災以前から指導している地元の句会だという。
まず「豈」同人でもある関根かなとその子息・杉山一朗(当時10歳)の句から・・・。『東日本大震災句集『わたしの一句』より。

   雪遊びしてゐる声が空からも   宮城・関根かな(「小熊座」「豈」同人)
   九か月十四日目のクリスマス  杉山一朗(当時・10歳・小学4年) 
   滝音や死ぬときはベッドと言う少年 髙橋孝輔(当時・高校生でボランティア活動) 
   白梅や轟音がして津波来し        阿部陽子 (「「水明会」)
   生き抜いてくだされ風邪ばひかねよに  青森・佐々木とみ子
   つなぐ手を波が断ち切る春の海       宮城・菊田島椿
   「フクシマ」にあらず福島秋刀魚焼く     福島・大野京子
   松明あかし地と海と空壊れても       福島・永瀬十悟



   
    

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