2016年5月6日金曜日

田島健一「原子炉がこわれ泉は星だらけ」(「豆の木」No.20)・・・



「豆の木」No.20 は「2015年第二十一回二十句競作豆の木賞」を田島健一「蝶と思考」が受賞している。
「受賞のことば」の中で、田島健一は、

 最近は、俳句をどうやって作るか、というよりも、俳句を作ったり、読んだりすることにどういう意味があるのだろう、とまるで「夜空の月がなぜ落ちてこないのだろう」みたいな、なんだかぼんやりとしたことを考えながら俳句に関わっているような気がします。そういうことを考えるようになったのも、よくよく考えてみると、豆の木で俳句を続けている影響なのではないかと感じています。

と述べている。以下は受賞作の中から、

   ごちそうと冷たいまくら谷は秋         健一
   ふるい雨あるくとふえている野菊
   鶏頭のたたかう声で酔い痴れる
   
「豆の木」の圧巻は、こしのゆみこ「旅ノート」で毎回読ませてくれる。今回は「マヘレ跳ね橋驟雨自転車連れてくる・旅ノート・⑰」、オランダ紀行である。
こしのゆみこ二十代のヨーロッパ一人旅以来のオランダだという。
愚生のようななまけものには、こしのゆみこのように調べつくしての旅ができない(もちろん旅自体をしていないのだが・・)。
ともあれ、こしのゆみこに敬意を表して今号の句から、

   休んでいる頭を入れる冬帽子      ゆみこ
   縄電車ひとりふえれば牡丹雪 
   天に足くっつけ冬蜂死ににけり


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