2016年12月13日火曜日

草深昌子「金剛をいまし日は落つ花衣」(『金剛』)・・・



草深昌子第三句集『金剛』(ふらんす堂)の集名については、

「金剛」こと金剛山は、吉野のある奈良県と、私が生まれ育った大阪府の境に立つ主峰です。なつかしさが重なり、句集名としました。 

と「あとがき」にあった。 略歴に「雲母」「鹿火屋」「晨」「ににん」を経て、「青草」主宰とある。
句はいずれも端整。いくつか句を以下に挙げておこう。

  富士山にそむきまむきや寒鴉      昌子
  赤子はやべっぴんさんや山桜
  冴返る鯉の鯰に似てゐたる
  廃校の時計の生きてさくら草
  水馬かまひにまたも水馬
  どこにでも日輪一つあたたかし
  壁蝨出るぞ山蛭出るぞ鉄砲打

草深昌子(くさふか・まさこ)1943年、大阪市生まれ。



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