2017年2月18日土曜日

福田若之「成人の日にいないやつから電話」(「オルガン」8号)・・



「オルガン」誌にはいつもながら、対談のテーマといい、語り口といい、愚生など頭の固い年寄りには、理解に苦しむところもないではないが(愚生がダメなだけだが・・)、興味深く読ませてもらっている(愚生より若い世代がどのような姿勢で俳句に向かっているのか)。今号もまた、生駒大祐✖福田若之対談「プレーンテキストってなんだろう」。生駒大祐✖田島健一✖福田若之✖宮本佳世乃の座談会「『定本 三橋敏雄全句集』を読んでみた」。それと「《書く姿勢》と伝統ー堀下翔に答えて  福田若之」。「書く姿勢」について真摯に問われていたことは理解でき、清しい印象だった。ただ、テーマが「書く姿勢」なので、無いものねだりになってしまうが、「伝統」とは何か?という前提について、まったく規定がなかったので、その点惜しかった。もちろん「前衛」と無限定に提出されても同様だが・・・。
プレーンテキストという言葉、横文字に弱い愚生が初めて知った言葉だったが、もっとも興味深く読ませてもらった。それなりに理解はできたものの、そうした意味合いも考えて、句を創ったことがないので、おおそうか、とまるで、若いときに、最初にソシュールや時枝誠記の言語論を読んだときのウーンといった感触だった。
ブログの福田若之の句には、思わず田中裕明「水遊びする子に先生からの手紙」を想起した。
ともあれ、同号から一人一句を以下に、

  フレームのそのままに日の古びたる    鴇田智哉
  朝、醒めたら、原爆になってて落ちる   福田若之
  自転車を漕ぐたびに音クリスマス     宮本佳世乃
  枝がちの空も冷たく古りゐたり       生駒大祐
  昨夜からそこに箱あり深雪晴れ      田島健一



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